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Fragment /2006-06

「イメージ」と「ヴィジョン」の違い

連載の最終回もしくは次回作の書籍に、アンケートのサンプルプログラムを付けようと思い立った。ところが、このアンケートの処理結果を表現するには、XYZだけでは、軸が足りない。
n次元を3次元にマッピングしたようなヴィジュアルイメージでは、情報を正確に伝えられない。

ヴィジュアルの仕事に携わる人たちに共通する、イメージを使って考える方法(ヴィジュアル・シンキング)は、視角の延長線上にある。
ヒトの目は3次元しか捉えられないにも関わらず、脳の中では、n次元について考えることができる。
3次元より高次の「ヴィジョン」を使って考える行為では、視角視野以外の部分が活動しているかもしれない。
「イメージ」なら、既存の方法で、多くの人々に伝達できるが、「ヴィジョン」は既存の方法では伝達できない。

デザイナが使いこなす「イメージ」と、数学者や物理学者や哲学者が使いこなす「ヴィジョン」は、異なるものだ、と気付き、愕然とした。
私は学者ではないが、仕事のベースに思索があるから、「イメージ」も「ヴィジョン」も、漠然と、同じレベルで捉えていた。これまでヴィジョンの伝達について深く考えたことがなかったので、両者の違いを意識していなかった。原稿でも、イメージとヴィジョンを、「イメージ」という言葉ひとつで表現してきた。大きな落とし穴である。ヴィジュアル・シンキングはヴィジョンを使って考える技術の必要条件ではあるが、十分条件ではないかもしれない。

2次元の平面を這いつくばっていたであろう生物が、飛行機で空を飛ぶようになり、宇宙にまで行けるようになって、3次元の世界を手に入れた。私たちの脳の中で、3次元より高みに飛翔する試みが始まり、次は、技術進化によって、n次元の世界を手に入れるようになるかもしれない。そうしてはじめて「イメージ」は「ヴィジョン」に近付くのだろう。

発見と、表現

母から,先日,父の書芸の作品を捨てたと聞いて,驚いた。
父が書芸の段持ちだったことは知っていたが,作品が残っていたことは知らなかった。
見ることのないまま,捨てられてしまった。

父にとって価値あるものは数学と物理学だけだった。芸術を蔑視していた。特に,文学と絵画を。
父が数学を学び始めたのは,書芸をたしなんだ後のはずである。
どのような心境の変化があったのか,存命中に聞いてみれば,対立は避けられたかもしれない。

ずっとヴィジュアルの仕事をしてきて,
デザインは伝達対象の本質の発見にあり,
アートは個人的な体験の表現方法の発見にある,ような気がし始めた。
世界の,何か,本質的なもの,唯一の美を発見する方法は,数学にあるのかもしれない。

人間関係は、線形計画である。

良い人間関係を築くには,歩み寄る妥協点を,冷静に話し合い,試しあって,探さなければならない。それは50歩と 50歩でなくてもいい。60歩と40歩かもしれないし,45歩と55歩かもしれない。
歩み寄りがお互いにストレスにならないためのアイデアを出し合うことが,コミュニケーションだ。

妥協点を探るには、自分と、関わる他者の,両方のパーソナリティを知る必要がある。
自分自身を見つめて,その限界を知らなければ,どれだけ歩み寄れるかを予測できないからだ。

人間関係においても「デバッグ&テスト」と「Tips&Tricks」は必要だ。

アプリケーション開発も,人間関係の開発も,似たようなものである。
Visual Studio 2005では、データベースへの接続が非常に簡単にできるようになっているが、人間関係への他者への接続は、簡単にはできない。以前のVS.NET2003のように,ゴリゴリとコードを書いてデバッグする作業を繰り返さなければならない。

クラスライブラリを読んだだけではプログラミングはできないように、人間関係でも、机の上の理論が生活に即で役立つわけではない。
人間関係においても現場での実験が必要だし、場当たり的といわれようが「Tips&Tricks」、いわゆるウラワザも必要だ。ということが、最近ようやく分かってきた。

人ひとり、いくら努力したところで、他者のパーソナリティを設計から変えることも実装し直すこともできない。同じ言語を話す者同士でも,世界の感じ方は違う。
実践的な知識をもとめ、1つからでも実行する方が、現実味がある。言動の理由や脳の仕組みを知り、msgboxをあちこちに仕掛け,何度もデバッグして,どの段階でエラーが生じたり無限ループに陥るのかを調べた上で,修正プログラムを作って対処することだ。

親子関係と社会システム

「毒になる親」という本を読んだ。親との関係に当惑している人が気付くためには良い本だと思う。
ただ,問題が2つある。 1つ目は,民法第八七七条の扶養義務である。
2つ目は,社会の意識。身体的な病気を抱えていたり,高齢者などの弱い立場にある人間に対して,言うべきことを言った側の人間が,社会的に実質的な不利を被る。責任を追及して症状を悪化させた場合,言うべきことを言わなければならないような相手を看なければならない。結局,社会は,そういう星のもとに生まれた者は,それを運命と諦めて,内々で処理してください,という仕組みになっている。

他者の生き方を変えることは難しい。だから,社会システムを変えることによって,生きやすくする以外にない。例えば,民法第八七七条ではなく社会全体で扶養するとか,国民を個別ID化して七五二条の協力扶助義務も外してしまい,思いやりが仇となって生活や仕事の面での実質的不利を被ることのないようにするなどである。それ以前に,警察ではなく,もっとソフトな,介入方法をとれる公的機関があってもいいだろう。

パーソナリティを浮かび上がらせる,自己紹介。

Microsoft社のMVPの自己紹介文は,占いよりも,面白い。
質問を考えた人が,ユニークなのかも。
「あなたにとってMVPとは?」という質問の答えは,「自分が今いちばん欲しているもの」だと思う。
書いた紹介文の中で,多く使っている言葉は,「自分が重要に思っていること」だと思う。
そう考えて,紹介文を読むと,パーソナリティが見えてくる。

ちなみに,私の場合は,「励み」を欲しているということになる。
多く使っている言葉は,
5回:XML,人,情報
3回:デザイン,技術
2回:構造化,プラットフォーム,イメージ,コミュニケーション,進化,仕事,一人称(自分,わたし)

ちなみに,相方の場合は,「自尊心を満たすもの」を欲しているということになる。
多く使っている言葉は,
8回:XML
7回:一人称(私,自分自身)
5回:夢
4回:主人
2回:IE5.0,良い,悪い,難しく,簡単に,性格,登場,使用,映像化,具象化

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