words by W Jennings、music by Joe Sample, song by Joe Cocker

　30年ほど前になるだろうか。ラジオから繊細な雨の音が流れてきた。
Joe Sampleの"Voices in the Rain"。
　思わずカセットに録音した。自分でも弾きたくて，テープを聴きながら採譜した。お世辞にも巧いとはいえないのだが，ライブで弾いたりもした。
　ある日，そのJoe Sampleの参加しているグループ，The Crusadersのライブをラジオで聴いた。その中で強く心を打たれたのが，"I'M SO GLAD I'M STANDING HERE TODAY"（邦題：明日への道標）だった。

　Joe Sample作曲，W-Jennings作詞，The Crusadersの演奏で，歌うはJoe Cocker。その歌詞の静かな力強さと，感情を抑えた芯の強い表現に，ノックアウトされた。

　当時私は大学生で，大学時代は自分の人生の中で最も精神的に過酷な時期だったと，今振り返っても思う。水の合わない場所に流され，酸素不足でもがいている魚のようだった。社会人になって，徐々に息を吹き返した。それでも今なお、「この世界はシンプルなのに、この社会は自分には複雑すぎる」と感じている。そんなだから，「I've lived to see the sun break through the storm」のフレーズが，とりわけ心に響いたのかもしれない。

　だが，社会人になってからも，自分を鼓舞したい時には，この歌を聴く。
そして，「If you remember sunshine，Even on your darkest day」のフレーズに，奮起する。
　訳詞を載せたいところだが，著作権があるから，やめておこう。

　多くを語る必要はないだろう。とにかく聴いてみれば分かる。名曲である。